「パートナーがうつ病で休職することになったけれど、これからどうなるのだろう」
「そばにいる家族として、本人にどう接すればよいのかわからない」
先の見えない不安や疲れを感じてはいませんか。休職中の家族への対応に迷ってしまうのは、決してあなただけではありません。
ご家族が心穏やかに休養するためには、周りの方の理解とサポートが不可欠です。
しかし、よかれと思ってかけた言葉が、かえって本人を追い詰めてしまうこともあります。
この記事では、休職中のご家族を支えるための接し方と、まず済ませておきたい3つのこと、
そして何より大切な「あなた自身のこころを守るためのセルフケア」について、わかりやすく解説します。
あなたが少しでも安心して日々を過ごすための参考になれば幸いです。
休職中の家族を支える3つの接し方
家族が休職したとき、どう接すればいいか戸惑うのは当然です。
本人が安心して休養できる、かかわり方の基本を3つのポイントで解説します。
- そっとしておく
- 話を聴く
- 焦らせない
① そっとしておく
ご家族が一日中寝ていたり、無気力に見えたりすると、心配のあまりつい声をかけたくなってしまうかもしれません。しかし、うつ病で心身のエネルギーが枯渇しているときは、ささいな刺激でも疲れやすい状態にあります。
そのため、まずはゆっくりと休ませてあげることが何よりも大切です。
しかし、「そっとしておく」ことは無関心なこととは違います。
相手のこころに踏み込みすぎず「気にかけている」というサインを送り続ける、見守りの姿勢です。
たとえば、以下のようなかかわりが考えられます。
- 静かに過ごせる環境をととのえる
- 食事の時間になったら、静かに部屋の前に置いておく
- 顔を合わせたときは、無理に話しかけず「おはよう」と挨拶だけする
直接的な干渉を避けつつも、回復に必要な時間を静かに見守ることも、大切なサポートの一つといえます。
②話を聴く
基本的には見守る姿勢が大事ですが、本人が何か話したいそぶりを見せたときは、耳を傾けることが重要です。
話を聴くときに心がけたいのは、評価やアドバイスをせず、ただ受けとめる「傾聴」の姿勢です。
具体的には、次の3つを心がけましょう。
- 否定しない:「そんなことないよ」と励ますのではなく、「不安で焦っているんだね」と、まずは本人の気持ちを受けとめる。
- 遮らない:本人のペースを大切にし、話の途中で口をはさまない。
- 無理に聞き出さない:話したがらないときは、「話したくなったら聞くよ」と伝える。
評価やアドバイスをせずに話を聴いてもらう体験は孤独感をやわらげ、自分の感情を表現できる「安全基地」のような役割を果たします。
③焦らせない
家族のつらそうな姿を目の当たりにすると、「早く元気になってほしい」と願うのは自然な気持ちです。
しかし、「頑張って」という励ましの言葉は、かえって本人を追い詰めてしまうことがあります。
うつ病になりやすい方は、もともと真面目で責任感が強い傾向があり、周りの期待に応えようとすでに頑張っている人が多いとされています。そのため、「これ以上どう頑張ればいいんだ」「期待に応えられない自分はダメだ」と、自分を責める気持ちを強めてしまいかねません。
家族は「焦らなくていいんだよ」というメッセージを伝え、本人のペースを尊重することが、回復への一番の近道になります。
休職中の不安を解消するために済ませておきたい3つのこと
家族の休職は、生活に大きな変化をもたらします。
まずは状況を整理するために、はじめに取り組みたいことを3つ紹介します。
- 休職中の家計を把握する
- 安心して休める環境をととのえる
- ひとりで抱えずに相談する
①休職中の家計を把握する
ご家族の休職で、まず直面するのが経済的な不安ではないでしょうか。今後の見通しを立てるためにも、まずは家計の状況を確かめておくことが大事です。
休職中は給与が支払われないことも多いですが、生活を支えるための公的な制度があります。
代表的なものが、健康保険から給与の約3分の2が支給される「傷病手当金」です。
本人が手続きについて話せる状態ではないときは、
家族が代わりに会社の人事部門や健康保険組合に問い合わせることも可能です。
利用できる制度があることを知るだけでも、心の負担は大きく軽くなるはずです。
②安心して休める環境をととのえる
ご本人が治療に専念するためには、心から安心して休める家庭環境が不可欠です。具体的には、以下のような点を心がけるとよいでしょう。
- 大きな決断を避ける:休職中は悲観的になりやすく、正常な考えが難しい状態です。退職や転居などの決断は先延ばしにして、「まずは回復を最優先にしよう」と伝えましょう。
- 原因探しをしない:「なぜ病気になったのか」という原因の追求は、本人や家族を追い詰めかねません。「これからどうするか」に目を向けましょう。
- 本人に過度な期待をしない:家事や育児など、これまで通りの役割を期待するのはやめましょう。ご家族で協力し、本人の負担を減らす工夫が必要です。
本人が療養に専念できる環境作りを、家族で協力して進めましょう。
③ひとりで抱えずに相談する
悩みをひとりで抱え込まず、追い詰められる前に外部の専門機関へ相談しましょう。
公的な相談窓口や同じような悩みを持つ家族が集う「家族会」など、頼れる場所はたくさんあります。
| 相談先 | 具体例と特徴 |
|---|---|
| 公的機関 | 精神保健福祉センター、保健所など。無料で精神科医や保健師などに相談でき、地域の医療機関や支援サービスの情報も得られます。 |
| 医療機関 | 本人が通院している精神科や心療内科。主治医に家族として同席し、対応について相談することも有効です。 |
| 家族会・コミュニティ | 地域の家族会や、オンラインコミュニティサイトなど。同じ経験を持つ人々と悩みを分かち合うことで、「ひとりではない」という安心感を得られます。 |
| カウンセリング | 臨床心理士や公認心理師によるカウンセリング。ご家族自身の心のケアや、本人とのコミュニケーションについて専門的なアドバイスを受けられます。 |
ひとりで悩まず、まずは電話だけでもサポートを求めてみてください。
支える家族のこころを守るセルフケア
家族を支えるあなた自身が、心身の健康を保つことは何よりも大切です。
休職中の家族と関わる人に必要なセルフケアを3つ紹介します。
- 自分の感情を認める
- 家族と距離をとる
- 完璧を目指さない
①自分の感情を認める
家族を支え続ける中で、苛立ちやもどかしさを感じ、そんな自分に罪悪感を抱いてしまうかもしれません。
でも、ネガティブな感情が湧くのはごく自然なことです。
自分の感情を否定せず、「今、疲れているな」とありのままに認めてあげましょう。
自分の気持ちにまず気づいて受けとめることが、こころの健康を保つ大切な第一歩です。
②家族と距離をとる
家族を大切に思うからこそ、四六時中気にかけてしまいこころ休まるときがないと感じていませんか。
常に一緒にいると、相手と自分の感情の区別がつかなくなり、依存し合う「共依存関係」になってしまうこともあります。
ときには意識して物理的・心理的な「距離」をとることが大事です。
距離を取るために、次のようなポイントを意識してみましょう。
- 自分の時間をつくる:1日に30分でも趣味や好きなことに没頭する。
- 家から離れる:散歩や買い物など、短時間でも外出してみる。
- 愚痴を言える場所をもつ:友人やカウンセラーなど、家庭とは関係のない場所で安心して本音を話せる相手を見つける。
あなたがあなた自身の人生を大切にすることが、健全なサポートにつながります。
③完璧を目指さない
「自分がサポートしなければ」という責任感は、あなた自身を燃え尽きさせてしまう原因になります。
大事なのは「家族は治療者ではなく、協力者である」という考え方です。
治療の主体はあくまで医療の専門家と本人です。家族にできることには限界があると認め、「よい意味でのあきらめ」も大切です。
回復のペースなど、自分がコントロールできないことは専門家に任せ、あなたは自分の心と生活を守ることを優先しましょう。
休職中の家族のことで悩んだら、まずは相談してみましょう
ご家族がうつ病で休職するという出来事は、あなたにとっても大きな混乱と不安をもたらしたことと思います。
大切なのは完璧なサポートを目指すことではなく、あなた自身が倒れないように、無理のない範囲でかかわっていくことです。
ときに苛立ちを感じたり、先が見えずに絶望的な気持ちになったりするのは、あなたが弱いからでも、愛情が足りないからでもありません。
つらい気持ちをひとりで抱え込まず、専門家に相談することも考えてみてください。
もし、家を空けるのが難しかったり、対面での相談に抵抗があったりするのなら、自宅から相談できるオンラインカウンセリングも有効な選択肢です。
相談室LITERASでは、ご家族のためのオンラインカウンセリングを行っています。
初回無料カウンセリングを実施していますので、お気軽にご相談ください。

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