「最近、子どもに『うざい』と言われるようになった…」
「話しかけても無視され部屋にこもってばかりで、何を考えているのかわからない…」
お子さんの豹変ぶりに戸惑いや寂しさを感じ、「かかわり方がわからない」「私の育て方が悪かったのかもしれない」と悩んでいませんか。
思春期特有の言動や行動には、子ども自身もコントロールできない心と身体の変化が関係しています。これまでどおりのかかわり方だと、かえってこころを閉ざしてしまうかもしれません。
この記事では、思春期の子どもとの関係を悪化させてしまうNG対応と、子どもの自立を支えるための具体的な接し方のポイントを解説します。さらに、対応に疲れてしまったあなたのこころを守るためのセルフケア方法も紹介します。
思春期の親子関係をよりよいものにしていくためのヒントとなれば幸いです。
もしかして逆効果?思春期の子どもへのNG対応

よかれと思ってしている行動が、かえって子どものこころを閉ざし、反抗的な態度を強めているかもしれません。思春期の子どもへのNG対応を3つ紹介します。
- 「よかれと思って」が逆効果になる過干渉
- 子どもの自己肯定感を下げる否定の言葉
- 兄弟や友人と比較する言葉
①「よかれと思って」が逆効果になる過干渉
子どものことが心配なあまり、行動を先回りして口を出したりプライバシーに踏み込みすぎたりする場合があります。
たとえば、以下のような行動は過干渉だと思われるかも知れません。
- 子どものスマホを勝手にチェックする
- 部屋に入るときにノックをしない、無断で掃除する
- 友人関係や一日の行動を細かく聞く
- 「勉強しなさい」「早くお風呂に入りなさい」と常に指示をする
過干渉なかかわり方は、子どもに「自分は信頼されていない」と感じさせてしまいます。子どもが「自分で考えて決める」という学びの機会を、知らず知らずのうちに奪ってしまうことにつながりかねません。
子ども自身の力で乗り越える経験は、自立していくための土台となります。
②子どもの自己肯定感を下げる否定の言葉
子どもが何か失敗したときや、あなたの意に沿わない行動をしたとき、つい否定的な言葉を投げかけてしまうことはないでしょうか。たとえ感情的に言ってしまっただけであっても、子どものこころに深く突き刺さります。
自信をなくした子どもは、新しい挑戦を怖がったり、どうせうまくいかないと物事を諦めやすくなったりします。あるいは、親への反発から、わざと問題行動を起こすといった形でSOSのサインを示すこともあるかもしれません。
③兄弟や友人と比較する言葉
「お兄ちゃんはもっと勉強していたよ」
「〇〇ちゃんは、親にそんな口の利き方しないでしょう」
兄弟や友人と比較する言葉は、子どもに劣等感を抱かせます。「優秀で聞き分けのよい子」にしか親の愛情は向けられないのだと思い、「ありのままの自分は愛されない」という寂しさや怒りを感じる原因となります。
親の対応ひとつで変わる|子どもの自立を支える接し方のポイント

NG対応を避けて積極的によいかかわり方を意識することで、子どものこころは安定し、自立へと向かっていきます。子どもの自立を支える接し方のポイントは以下の3つです。
- 信頼関係を築く「聴く」姿勢
- 子どもの自己肯定感を育む言葉がけ
- 「放置」ではなく「信頼」して見守る
①信頼関係を築く「聴く」姿勢
思春期の子どもとの信頼関係の土台となるのは、親が「聴く」姿勢をもつことです。子どもが何かを話そうとしたときは、たとえ忙しくても少しだけ手を止め、耳を傾けてみてください。
なのは、すぐに意見したり否定したりせず、まずは子どもの言葉を最後まで受け止めることです。
たとえば、子どもが「部活、辞めようかな」と口にしたときの会話をみてみましょう。
【NGな会話例】
子ども:「部活、辞めようかな…」
親:「え、なんで!?あんなに頑張ってきたのにもったいないじゃない!もう少し頑張りなさいよ」
【OKな会話例】
子ども:「部活、辞めようかな…」
親:「そうなんだね。何かあったの?」(まずは受け止める)
子ども:「…別に、なんかもういいかなって」
親:「そっか。もし話せるようなことだったら、いつでも聞くよ」(無理に聞き出さず、待つ姿勢を見せる)
子ども:「人間関係とか、ちょっと疲れたかも…」
親:「人間関係で、疲れることがあったんだね」(子どもの言葉を繰り返して、聞いていることを示す)
すぐに結論を出したりアドバイスをしたりせず、まずは子どもの気持ちに寄り添い、安全な対話の場を作ることで、信頼関係を深めていきます。
②子どもの自己肯定感を育む言葉がけ
子どもの自己肯定感を育むには、結果だけでなく、その過程や努力に目を向けて具体的に伝えることが大事です。
- 「テストの点、上がったじゃない。毎日コツコツ勉強していたもんね」
- 「いつも洗い物してくれて助かるわ、ありがとうね」
以上のように、「親が自分のことを見て認めてくれている」と感じられる言葉がけが自己肯定感を育みます。「自分は大事な存在なんだ」「自分には価値があるんだ」という感覚が生まれるでしょう。
③「放置」ではなく「信頼」して見守る
「干渉しない」ことと「放置」は違います。放置は無関心ですが、見守ることは「あなたに関心があるし、信じているよ」というメッセージを伝えることです。
たとえば、子どもがテスト前に思うように勉強を進められていないときを考えてみましょう。
「勉強しなさい!」と一方的に指示するのではなく、「何か困っていることはある?」と声をかけることが大事です。もし、子どもから「計画の立て方がわからない」と言われれば相談があれば、一緒に考えましょう。
子ども自身が課題に気づき、助けを求めるまで少し待つ姿勢で見守ることで、子どもが自立する力を育みます。
親自身のこころを守るためのセルフケア

子どもの対応に追われる中で、あなた自身のこころは疲れていませんか。「子育てがつらい」「もうノイローゼになりそう」と感じるのは、あなたが一人で頑張りすぎているサインかもしれません。子どもと向き合うためには、まずあなた自身のこころの余裕が不可欠です。
- 自分のための時間を作り罪悪感を手放す
- イライラやストレスを上手に解消する方法
- 一人で抱え込まない
①自分のための時間を作り罪悪感を手放す
親が自分のための時間をもつことは、決してわがままではありません。むしろ、こころの健康を保ち、笑顔で家族と接するために必要なエネルギーを充電する大事な時間です。
- 「1日15分だけは、好きな音楽を聴きながらゆっくりコーヒーを飲む」
- 「週末の30分は、近所を散歩する」
まずは、こうした小さなことからで構いません。自分のための時間も「子どもとポジティブに関わるために必要な時間」と考え、気持ちに余裕が生まれる過ごし方を取り入れましょう。
②イライラやストレスを上手に解消する方法
子どもに対して感情的に怒ってしまい、後から激しい自己嫌悪に陥るようなときには、具体的なストレス解消法を試してみましょう。怒りをうまく扱う「アンガーマネジメント」や、気持ちを書き出して整理することがおすすめです。
- アンガーマネジメントを試す:怒りのピークは6秒といわれています。カッとなったら、ゆっくり6秒数えながら深呼吸をしたり、その場を一旦離れたりして、衝動的に言葉を発するのを防ぎます。
- 気持ちを書き出す:モヤモヤした気持ちや怒りを、誰にも見せることのないノートにすべて書き出してみましょう。自分の感情を客観的に見つめ直すことができ、気持ちが整理できます。
③一人で抱え込まない
「このつらさは、誰にもわかってもらえない」と、ひとりで悩みを抱え込んでいませんか。家庭内で孤立していると感じるときは、外部に助けを求める勇気も必要です。
夫に協力を求めるときは、「どうして手伝ってくれないの!」と責めるよりも、「私は今、こういう状況でつらく感じているから、話を聞いてくれると嬉しい」と、自分の気持ち(Iメッセージ)で伝えると、相手も受け入れやすくなります。
また、学校のスクールカウンセラーや、自治体が設けている子育て相談窓口など、悩みを打ち明けられる場所は複数あります。客観的な視点からのアドバイスが、状況を好転させるきっかけとなるでしょう。
思春期は激動の時期。誰かに頼りながら乗り越えましょう

思春期の子どもが見せる反抗的な態度は、親を困らせるためのものではなく、自立した大人になるために誰もが通る成長の過程です。決して、あなたの育て方が悪かったわけではありません。
今はつらく、終わりが見えないように感じるかもしれません。ですが、嵐のような時期を乗り越えた先には、子どもがひとりの人間として自立し、新しい親子関係を築いていく未来が待っています。
ただ、ひとりで抱えるにはあまりにもつらいと感じたり、生活に支障をきたすほど対応に困ったりするときは、専門家に相談することも大事です。
当相談室では、「子どもとのかかわり方についてアドバイスがほしい」「育児がつらい」などのお悩みがある方に向けて、オンラインで子育て・思春期相談を提供しています。
初回無料カウンセリングを実施していますので、ぜひお気軽にご相談ください。

